産業廃棄物収集運搬業許可について調べていると、
・ 講習はいつ受講すればよいのか
・ 新規講習と更新講習は何が違うのか
・ オンラインで受講できるのか
といった疑問を持つ方も多いでしょう。
講習については、 「許可を取得するために必要な手続」 というイメージを持たれがちです。
実際には、講習修了証は許可申請や更新申請で使用される資料として位置付けられています。
そのため重要なのは、講習を受講したという事実だけでなく、許可や更新の申請時点で利用できる修了証を備えていることです。
この記事では、許可講習の位置付けと、新規・更新講習の違い、受講時期を考える際の注意点について解説します。
※産業廃棄物収集運搬業許可の全体像については、以下の記事もあわせてご覧ください。
「産業廃棄物収集運搬業許可(積替・保管を除く)|取得にあたって押さえるべき要点」
なぜ産廃許可講習が必要なのか
廃棄物処理法は、廃棄物の適正な処理を通じ、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としています。
産業廃棄物収集運搬業許可では、車両・事務所・財産的基盤といった設備や財産面だけでなく、
・ 廃棄物処理に関する知識
・ 関係法令に関する知識
を備えていることも前提とされています。
修了証はその知識を有していることを示す資料として、許可申請や更新申請に利用されています。
講習制度は、適正な収集運搬業務に必要な知識を有していることを確認するための仕組みです。
許可申請や更新申請では、講習修了証を通じてその知識を備えていることを示します。
※講習修了証以外の許可要件については、以下の記事でも詳しく解説しています。
「産業廃棄物収集運搬業許可の要件とは|講習・車両・財産的基盤で確認されるポイント」
誰が受講するのか
講習会は、収集運搬業に関わる全ての従業員が受講する制度ではありません。
許可申請に使用する修了証を取得する者であり、個人事業の場合は事業主本人が、法人であれば、代表取締役、役員、政令使用人などが受講対象となります。
法人の場合は、代表者が受講するケースが多く見られますが、役員(全員でなくてもよい)や政令使用人の修了証を使用することもできます。
誰が受講するかを考える際は、 「許可申請で使用する修了証を誰の名義で準備するのか」 という視点で考えると分かりやすいでしょう。
新規と更新講習|有効期間の違いに注意
産廃許可講習には、新規講習と更新講習があります。
・新規講習
新規講習は、新たに産業廃棄物収集運搬業許可を取得する際に受講する講習です。
修了証は、原則として修了日から 5年間有効です。
そのため、新規許可申請では修了証の有効期間内に申請を行います。
・更新講習
更新講習は、既に許可を取得している事業者が更新申請のために受講する講習です。
修了証は、原則として修了日から 2年間有効です。
ここで注意したいのは、許可の有効期間と講習修了証の有効期間は一致しないという点です。
収集運搬業許可は通常 5年ごとに更新しますが、更新講習の修了証は 2年間です。
そのため、
・ 更新までまだ期間がある段階で受講した
・ 更新直前になって受講しようとした
いずれの場合も申請スケジュールとの調整が必要になります。
更新講習は、更新申請の準備を始める時期に合わせて受講するケースが一般的です。
修了証の有効期間は 2年間あるため、更新直前でなければならないわけではありませんが、あまり早く受講しすぎると更新申請の際に利用できなくなる可能性があります。
受講時期はどのように考えればよいのか
講習制度において実務上のポイントになるのは、受講そのものよりも修了証の有効期間です。
例えば、更新期限まで 3年以上ある段階で更新講習を受講した場合、更新申請の時点では修了証が利用できなくなっている可能性があります。
一方で、 「まだ先だから大丈夫だろう」 と考えていた結果、更新期限が近づいてから受講しようとしても、希望する日程で予約できないことがあります。
そのため講習の受講時期は、
・ 許可申請の予定
・ 更新期限
・ 修了証の有効期間
をあわせて考える必要があります。
講習修了証も申請時に使用する資料の一つであり、車両関係書類や決算書類と同様に申請時に有効かという視点で管理しておきたいところです。
※更新申請との関係については、以下の記事も参考にしてください。
「産業廃棄物収集運搬業許可の更新期限はいつまで?|更新前に見直したい実務ポイント」
オンライン受講はできるのか
現在はオンライン形式による講習も実施されており、自宅や事務所から受講できるようになっています。
ただし、オンライン講習であっても、修了テストは指定された会場で受験する方式が採られています。
受講申込時に選択した地域の会場へ出向き、修了テストを受験することになります。
そのため、講義日程・修了テスト日程・テスト会場も含めて受講計画を立てておく必要があります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可における講習修了証は、収集運搬業務に必要な知識を備えていることを示す資料として、許可申請や更新申請に利用されています。
新規講習と更新講習では修了証の有効期間が異なり、新規講習は 5年、更新講習は 2年が目安となります。
講習で重要なのは、申請時に利用できる有効な修了証を備えているかという点です。
そのため、受講日だけでなく、許可や更新の申請予定時期との関係も踏まえて管理しておく必要があります。
特に更新講習では、許可の更新期限と修了証の有効期間が一致するわけではありません。
受講時期を早めすぎても遅すぎても支障が生じる可能性があるため、更新準備のスケジュールに合わせて計画的に受講しておきましょう。
講習修了証は、許可申請や更新申請に使用する資料であり、申請準備の一部として位置付けておくと理解しやすいでしょう。