産業廃棄物収集運搬業許可は、一度取得すれば永久に有効な許可ではありません。
収集運搬業を継続して行う場合は、許可の有効期間が満了する前に更新申請を行う必要があります。

そのため、
 「更新期限はいつまでなのか」
 「更新前にどのような点を見直しておけばよいのか」

と疑問を持つ事業者の方も多いのではないでしょうか。

もっとも、更新手続は単なる期限管理ではありません。
更新時には、許可取得後に生じた変更事項も含め、現在の事業体制が許可内容に反映された状態になっているかが見られます。

この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可の更新期限とあわせて、更新前に押さえておきたい実務上のポイントを解説します。

なお、産業廃棄物収集運搬業許可制度の基本的な仕組みや取得要件について解説した、
「産業廃棄物収集運搬業許可(積替・保管を除く)|取得にあたって押さえるべき要点」もあわせてご覧ください。

更新期限はいつまでか

① 許可の有効期間

産業廃棄物収集運搬業許可の有効期間は、原則として 5年間です。
許可証には有効期限が記載されており、引き続き事業を行う場合は、その期限が到来する前に更新申請を行う必要があります。
まずは自社の許可証を見て、有効期限を把握しておきましょう。

② 更新申請はいつから準備すべきか

更新申請にはさまざまな書類が必要になります。
また、講習会を受講済みか、変更届に提出漏れがないかも把握しておかなければなりません。
そのため、有効期限が近づいてから慌てて準備し始めるのではなく、余裕をもって進めることが望ましいでしょう。

更新申請に必要な書類の収集や、講習修了証を準備できる状態になっているかの把握、変更届の提出状況の確認には時間を要する場合があります。
少なくとも有効期限の数か月前には、準備がどこまで進んでいるかを把握し、追加で対応が必要な事項がないかを見直しておくことが重要です。
具体的な受付時期や必要書類は許可行政庁によって異なるため、各自治体の手引や案内に目を通しておきましょう。

③ 期限直前に準備すると何が問題になるのか

更新手続で問題になりやすいのは、期限そのものよりも準備不足です。

例えば、
 ・ 本店移転後の変更届が提出されていない
 ・ 役員変更の届出状況が分からない
 ・ 車両を入れ替えているが許可取得時の資料しか残っていない
 ・ 講習修了証などの必要書類が揃っていない

といったケースがあります。

更新準備を進める中で、本店移転は登記済みであるものの許可関係の届出が行われていなかったことに気付く場合もあります。
また、役員変更は行っているものの変更届を提出したか分からないケースや、現在使用している車両と許可取得時の資料が一致していないケースもあります。
このような場合は、どの事業体制を更新申請書へ反映するのかを先に決める必要があります。

更新申請は、単に書類を提出して終わる手続ではありません。
現在の事業体制を更新申請書へ反映できる状態にしたうえで、必要書類を揃える手続でもあります。
そのため、期限直前になるほど対応できる範囲が限られてしまいます。

なぜ産業廃棄物収集運搬業許可に更新があるのか

① 廃棄物処理法が求める適正処理

産業廃棄物収集運搬業許可は、単に事業者の営業を認めるための許可ではありません。

廃棄物処理法は、
 ・ 廃棄物の適正処理
 ・ 処理責任の明確化
 ・ 生活環境の保全
 ・ 公衆衛生の向上

を目的としています。

産業廃棄物は、排出事業者から収集運搬業者、処分業者へと引き継がれながら処理されます。
どの事業者がどんな体制で収集運搬を行っているのかを行政が把握できる状態にしておくことが重要です。

② 更新時に見られること

更新申請では、単に期限内に申請が行われているかだけが見られるわけではありません。
行政が見ているのは、許可取得時に満たしていた要件が現在も維持されているかという点です。

例えば、
 ・ 役員構成
 ・ 事務所
 ・ 車両
 ・ 財務状況
 ・ 欠格事由への該当の有無

などが更新時の判断資料となります。

また、許可取得後に役員変更や本店移転などがあった場合は、その内容が申請に反映されているかも見られます。
更新手続には、現在の事業体制と許可内容に相違がないかを見直すという側面もあります。
更新時に現在の事業体制と許可内容が見られるのは、収集運搬を行う事業者を行政が継続的に把握できる状態にしておくためでもあります。

更新前に見直したい実務ポイント

許可更新にあたっては、現在の事業体制が許可情報に反映された状態かを見直しておくことが重要です。

特に見直しておきたい事項として、次のようなものがあります。
 ・ 役員変更がないか
 ・ 本店所在地の変更がないか
 ・ 車両の変更がないか
 ・ 未提出の変更届がないか

まず見直したいのは、許可取得後に生じた変更事項です。

例えば、役員変更や本店移転が行われているにもかかわらず必要な届出が行われていない場合、現在の事業体制と許可情報が一致していない状態になります。
この場合、更新申請書にどの内容を記載するのかを決める前に、変更事項を反映させる必要があります。
また、車両の入替えを行っている場合には、現在使用している車両と許可関係書類との間に相違がないかも見直しておきたいところです。
さらに、更新講習の受講が必要となる場合には、受講修了証が更新申請の添付書類となります。
そのため、更新期限だけでなく、講習は受講済みか、修了証は提出できるのるかも把握しておく必要があります。

希望する時期に受講できるとは限らないため、更新期限が近づいてから動き出すのではなく、早めに受講予定を立てておくことが重要です。

決算関係書類についても、財務状況を示す資料として更新時の判断資料となるため、必要な書類を提出できる状態になっているかを見ておきましょう。

更新時に見られるのは、単に事業を継続しているかどうかではありません。
現在の役員構成、事務所所在地、使用車両、財務状況などが、更新申請書へ記載する内容と一致しているかです。
そのため、更新期限だけに着目するのではなく、許可取得後に生じた変更事項が適切に反映されているかという視点で見直しを進めることが重要です。

更新期限が近い場合に見ておきたいこと

許可の有効期限が近づいている場合は、まず許可証に記載された期限を把握しましょう。

そのうえで、
 ・ 必要書類は揃っているか
 ・ 講習関係に問題はないか
 ・ 変更届の提出漏れはないか
 ・ 現在の事業体制と許可内容に相違はないか

を見ておくことが大切です。

更新を行わないまま有効期限を迎えると、許可は失効します。
そのため、期限直前になって対応するのではなく、現在の事業体制を更新申請書へ反映できる状態になっているかを見ながら、事前に準備を進めておきましょう。

まとめ|更新は事業実態と許可内容の照合

産業廃棄物収集運搬業許可の有効期間は、原則として 5年です。
引き続き事業を行う場合は、期限が到来する前に更新申請を行う必要があります。

もっとも、更新手続は単なる期限管理ではありません。
更新時には、許可取得後の変更事項も含め、現在の事業体制と許可内容が一致しているかが見られます。
更新期限の管理はもちろん重要ですが、実務上は許可取得後に生じた変更事項が適切に反映されているかも重要になります。

更新準備は単なる期限管理ではなく、現在の事業体制と許可内容を照合する作業でもあります。

更新期限が近づいている場合は、許可証の有効期限を把握するだけでなく、役員・所在地・車両などの情報が現在の状況と一致しているかもあわせて見直しておきましょう。

なお、産業廃棄物収集運搬業許可の取得要件や制度の基本的な仕組みについては、
「産業廃棄物収集運搬業許可(積替・保管を除く)|取得にあたって押さえるべき要点」も参考にしてください。