古物商許可を取得した後に、営業所を移転した、管理者や法人役員が変わった、ホームページのURLを変更したといった場合には、変更内容に応じた届出が必要になります。
変更する事項によって、変更前に届け出るものと変更後に届け出るものがあり、届出期限も異なります。
さらに、古物商許可証に記載されている事項が変わる場合には、許可証の書換申請も行います。
この記事では、どのような変更が届出の対象となるのか、事前届出と事後届出はどのように分かれるのか、いつまでに届け出るのかを説明したうえで、書換申請や添付書類、届出をしなかった場合の罰則・行政処分まで解説します。
変更届の対象は申請・届出している事項から判定する
古物商許可では、営業主体や営業所、管理者などを申請書に記載し、その内容について公安委員会の審査を受けます。許可取得後も、一定の事項に変更が生じた場合は、その内容を届け出ます。
営業所を移転すれば営業所の所在地が変わり、管理者が交代すればその営業所を管理する人が変わります。ホームページ利用取引として届け出たURLを変更すれば、公安委員会へ届け出ているURLも変更することになります。
届出の対象となる主な事項には、個人の氏名・住所、法人の商号・本店所在地・役員、営業所の名称・所在地、管理者、ホームページ利用取引に使用するURLなどがあります。
こうした事項に変更が生じたときは、変更する事項ごとに届出の時期と期限を当てはめます。
変更届には、変更前に届け出る 「事前届出」 と、変更後に届け出る 「事後届出」 があります。
事前と事後に分かれているのは、公安委員会へ届け出る時点が変更事項によって異なるためです。
営業所の新設や移転などでは、古物営業を行う場所そのものが変わります。公安委員会へ届け出ている営業所と実際の営業場所が食い違った状態で営業を始めることがないよう、営業所の名称・所在地に関する変更は事前に届け出ます。
一方、氏名、住所、役員、管理者、URLなどは、変更が生じた後、その内容を届け出る仕組みになっています。
この区分を押さえたうえで、実際に変更する事項を事前届出と事後届出に振り分けます。
営業所の新設・移転・廃止・名称変更は変更予定日の3日前まで
営業所の新設、移転、廃止、名称変更は、変更予定日の3日前までに届け出ます。個人・法人のどちらが許可を受けている場合も同様です。
営業所を別の住所へ移転するのであれば、移転後に届け出るのではなく、新しい場所で営業を始める前に営業所所在地の変更を届け出ます。営業所を新たに設ける場合や廃止する場合、営業所の名称を変更する場合も事前届出の対象です。
自宅を営業所としている場合は、転居によって二つの届出事項が同時に変わることがあります。
たとえば、個人の古物商が自宅兼営業所を移転すると、古物営業を行う「営業所所在地」と、許可を受けている本人の「住所」が変わります。
この場合、営業所所在地の変更は変更予定日の3日前までに、個人の住所変更は転居後14日以内に届け出ます。
引っ越しという出来事を一つの変更として扱うのではなく、営業所所在地と個人住所をそれぞれ別の届出事項として扱うことになります。
氏名・役員・管理者・URLなどは変更後に届け出る
氏名、住所、法人役員、管理者、ホームページ・ECサイト等のURLなどは、実際に変更が生じた後に届け出ます。
主な届出期限は次のとおりです。
| 変更事項 | 個人 | 法人 | 届出期限 |
|---|---|---|---|
| 氏名 | ○ | ― | 変更後14日以内 |
| 住所 | ○ | ― | 変更後14日以内 |
| 商号 | ― | ○ | 変更後20日以内(登記事項証明書添付) |
| 本店所在地 | ― | ○ | 変更後20日以内(登記事項証明書添付) |
| 役員 | ― | ○ | 変更後20日以内(登記事項証明書添付) |
| 管理者 | ○ | ○ | 変更後14日以内 |
| ホームページ・ECサイト等のURL追加・変更・廃止 | ○ | ○ | 変更後14日以内 |
事後届出の期限は原則として変更後14日以内ですが、登記事項証明書を添付する届出については20日以内です。
法人の商号、本店所在地、役員の変更では、変更後の登記事項を証明する書類を添えて届け出るため、この20日以内の期限が適用されます。
一方、法人に関する変更がすべて20日以内になるわけではありません。
たとえば管理者の交代は、法人が許可を受けている場合でも変更後14日以内に届け出ます。このように、届出期限は変更する事項と添付書類に応じて判断します。
管理者や法人役員が交代する場合は、期限だけでなく、新しく就任する人について提出する書類も変わります。
管理者を交代した場合は、新しい管理者について略歴書、本籍が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書などを添付します。
法人に新役員が就任した場合も、その役員について略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書などを提出します。
ホームページ利用取引についても、届け出ているURLを追加・変更・廃止した場合は、変更後14日以内に手続します。新たにホームページ等を開設する場合は、URLを使用する権限があることを示す資料も添付します。
ただし、ホームページのデザインや掲載内容を変更しただけで、届け出ているURL自体が変わらなければ、通常はURL変更の届出には該当しません。
※古物商許可の変更届については、以下の関連記事でも詳しく解説しています。
「古物商許可の更新は必要?|取得後の変更届出と営業実態」
「古物商許可の変更届とは|営業所・管理者・URL変更で必要になる手続」
許可証の記載事項が変わる場合は書換申請も行う
変更届の対象となる事項が古物商許可証にも記載されている場合は、変更後の内容を許可証へ反映するため、
書換申請も行います。
たとえば、個人の氏名・住所、法人の商号・本店所在地など、許可証の記載内容が変わる変更が対象となります。
管理者やホームページ・ECサイト等のURLなどの変更自体は、許可証の書換えを伴いません。
また、変更する事項によって添付書類も異なります。個人の氏名や住所を変更した場合、法人の登記事項を変更した場合、管理者や役員を交代した場合など、それぞれの変更内容を証明する書類や、新しく管理者・役員となる人についての書類を添付します。
そのため、変更届を提出するときは、変更する事項に対応する届出期限だけでなく、添付書類と許可証の書換えの有無まで当てはめて手続します。
変更届をしなかった場合の罰則・行政処分
変更届が必要であるにもかかわらず届出をしなかった場合や、虚偽の届出をした場合は、10万円以下の罰金の対象となります。
古物商許可では、許可取得後も営業主体、営業所、管理者などの届出事項を実際の営業状況に合わせておくことが求められています。そのため、取り扱う中古品や販売内容そのものに大きな変化がなくても、届出対象となっている事項が変われば期限内に手続します。
また、古物営業法などへの違反について法律上の要件を満たした場合には、公安委員会による指示や営業停止、許可取消しの対象となることがあります。
変更届を一度提出しなかったことだけで直ちに許可が取り消される仕組みではありません。罰則や行政処分は、それぞれ古物営業法に定められた要件に従って判断されます。
古物商許可の取消しを受けた場合は、原則として取消しの日から5年間、古物商許可の欠格事由に該当します。
まとめ|変更が生じたら「申請・届出している何が変わるか」から判定する
古物商許可の変更手続では、今回の変更によって、申請・届出しているどの事項が変わるのかを特定することが判断の起点になります。
営業所の新設・移転・廃止・名称変更であれば、変更予定日の3日前までに届け出ます。氏名、住所、法人役員、管理者、URLなどが変わる場合は、変更後14日以内または20日以内の期限を当てはめます。
自宅兼営業所の移転のように、営業所所在地と個人住所が同時に変わる場合、それぞれ別の届出事項として扱います。営業所所在地は事前届出、個人住所は事後届出となるため、同じ引っ越しでも手続の時期は同じではありません。
変更する事項が特定できたら、その事項に応じた期限までに必要な添付書類をそろえ、許可証の記載内容まで変わる場合は書換申請も行います。
判断の起点になるのは、引っ越しや役員交代といった出来事そのものではなく、その出来事によって申請・届出しているどの事項が変わるかです。変更する事項を切り分けることで、届出の時期と期限、添付書類、許可証の書換えまで順に当てはめられます。
古物商許可が必要かどうかは、販売方法ではなく商品の取得方法や営業実態によって判断されます。
「自分の場合は許可が必要なのか分からない」という方は、古物商許可申請サポートページをご覧ください。
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