「古物商」と「古物営業」は、似た言葉ですが同じ意味ではありません。
中古品を販売するために必要なのは「古物営業許可」と理解されることもありますが、実際には誰に許可が与えられ、どの営業が許可の対象になるのかを分けて考えることが重要です。
この記事では、「古物商」と「古物営業」の違いを整理し、古物営業の許可(一般に「古物商許可」と呼ばれます)との関係もあわせて解説します。
古物商は許可を受けて営業する人や会社を指す
古物商とは、古物営業法に基づく許可を受けて古物営業を行う人や会社のことです。
つまり、「古物商」は営業そのものではなく、営業を行う主体を表す言葉です。
例えば、
* 個人で古物(一般にいう中古品など)を販売する人
* リサイクルショップを経営する会社
* 中古工具や中古家電を買い取って販売する事業者
はいずれも、許可を受けて営業していれば古物商です。
古物営業の許可(一般に「古物商許可」と呼ばれます)は、営業する人や会社について、営業所や管理者などが法令の要件を満たしていることを前提に公安委員会が与える許可です。
※古物商許可はどんな場合に必要で、不要なのはどんな場合なのかは、以下で解説しています。
「古物商許可とは?|どんな場合に必要なのかをわかりやすく整理」
「古物商許可が不要なケースとは|自分の物を売る場合との違い」
古物営業は古物を取り扱う営業活動を指す
この記事でいう古物営業とは、古物商が行う古物の売買や交換など、古物営業法の対象となる営業活動を指します。
代表的なのは、古物を買い取り、それを販売する営業です。
例えば、
* 店舗で古物を販売する
* インターネットショップで古物を販売する
* 出張買取を行う
* 古物市場で古物を仕入れて販売する
といった営業は、古物営業に該当する可能性があります。
つまり、「古物営業」は仕事や営業活動を表す言葉です。
古物商と古物営業は「人」と「営業」の違い
両者の違いは、誰を指しているのかで整理できます。
- 古物商:許可を受けて営業する人や会社
- 古物営業:古物を取り扱う営業活動
例えば、リサイクルショップを開業する場合、お店を経営する事業者は「古物商」です。
そのお店で古物を買い取り販売する仕事は「古物営業」です。
つまり、「誰が営業するのか」と「どのような営業をするのか」を区別すると理解しやすくなります。
古物営業の許可を受けることで古物営業を行える
古物営業を営もうとする者は、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の古物営業の許可を受けなければなりません。
※古物商許可の取得方法や費用などに関しては、以下の記事が参考になります。
「古物商許可を取得する方法|副業せどり・中古品販売を始める方へ」
「古物商許可の費用はいくらかかる?|申請手数料・必要書類取得費用を整理」
許可が与えられるのは営業そのものではなく、営業する人や会社です。
そのうえで、許可を受けた古物商が古物営業を行います。
例えば、新しく中古ブランド品の買取店を開業する場合、
1. 営業所を決める
2. 古物営業の許可を取得する
3. 古物営業を開始する
という流れになります。
そのため、「古物商許可を取る」という表現が一般的に使われていますが、制度上は古物営業の許可を受け、その許可を受けた人や会社が古物商として古物営業を行うという関係になります。
なぜ人と営業を区別しているのか
古物営業法は、盗品等の売買を防止し、被害品を早期に発見することを目的としています。
そのため、「古物を販売している」という事実だけではなく、
* 誰が営業しているのか
* どこの営業所で営業しているのか
* 誰が管理しているのか
を継続して把握できることが重要になります。
営業主体が明確になることで、取引記録の確認や立入検査、盗品の流通経路の確認なども行いやすくなります。
このように、許可の対象を営業する人や会社とし、その人や会社が古物営業を行うという仕組みにすることで、営業の継続性や責任の所在を明確にしています。
古物商と古物営業の違い
| 比較項目 | 古物商 | 古物営業 |
|---|---|---|
| 指すもの | 許可を受けた人・会社 | 古物を取り扱う営業活動 |
| 対象 | 営業主体 | 営業そのもの |
| 許可との関係 | 許可を受ける主体 | 許可を受けた古物商が行う営業 |
| 例 | リサイクルショップの運営会社 | 古物の買取・販売 |
古物商は営業する人や会社、古物営業は営業活動
古物商と古物営業は、どちらも古物の取引に関係する言葉ですが、意味は異なります。
古物商は、公安委員会から古物営業の許可を受けて営業する人や会社です。
古物営業は、その古物商が行う古物の買取や販売などの営業活動を指します。
この違いを理解しておくと、「誰が許可を受けるのか」「どの営業が許可の対象になるのか」を正しく判断でき、古物営業法の仕組みも理解しやすくなります。
古物商許可が必要かどうかは、販売方法ではなく商品の取得方法や営業実態によって判断されます。
「自分の場合は許可が必要なのか分からない」という方は、古物商許可申請サポートページをご覧ください。
古物商許可申請サポートページ