建設業許可を受けた事業者には、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出する義務があります。
未提出の期間があっても、それだけで直ちに許可の効力がなくなるわけではありませんが、提出義務は残り、更新や経営事項審査(経審)の際には過去の未提出分への対応が必要です。

未提出が判明した場合は、対象となる事業年度を特定し、当時の決算書や工事経歴を基に届出を作成します。
更新や経審が近づいてから複数年分をまとめて処理すると必要な作業が集中するため、未提出に気づいた時点から過去分への対応を進めることが重要です。

決算変更届は事業年度ごとに提出する

決算変更届は、建設業許可業者が毎事業年度終了後4か月以内に提出する届出です。法人では、決算期を迎えるたびに、その事業年度の工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額、財務諸表などを提出するため、5年間の許可期間中に決算期を5回迎えれば、それぞれの事業年度について提出期限が到来します。

決算変更届は各事業年度について提出するものであり、未提出が判明した場合には、過去の各事業年度について必要な書類を作成して提出します。

更新前に未提出の決算変更届を解消する

建設業許可の有効期間は5年間で、引き続き建設業を営む場合には更新申請が必要です。更新申請は有効期間満了日の30日前までに行う必要があり、神奈川県では満了日の3か月前から受け付けています。

更新を迎えるまで決算変更届を提出していなかった場合、更新準備と並行して未提出となっている各事業年度の届出を作成します。数年前の決算変更届であれば、当時の決算書に加えて、工事経歴や事業年度ごとの施工金額を遡って把握する必要があり、時間が経過するほど、契約書や請求書など工事実績を裏付ける資料の収集に時間を要します。

更新時には決算変更届に加えて、許可取得後に生じた変更の届出状況も確認するため、商号・名称、役員、所在地などを変更している場合は、それぞれ所定の変更届も対象となります。

更新期限が近づいてから複数年分の決算変更届や他の変更届に対応すると、更新申請までに必要な作業が集中します。未提出が判明した段階で過去分を提出しておけば、更新時には現在の許可内容と更新申請に必要な事項を中心に準備できます。

経審を受ける前に対象年度の決算変更届を提出する

公共工事を発注者から直接請け負うために経審を予定している場合、決算変更届の提出状況は経審の手続にも関係します。

神奈川県では、経営状況分析を申請するにあたり、原則として事前に建設業許可に係る決算変更届を提出する取扱いとなっており、事後となった場合も、遅くとも経審の申請時までに提出する必要があります。

経審では、原則として申請日の直前の事業年度終了日を審査基準日として、完成工事高や財務内容などを評価します。そのため、経審を予定しているのであれば、対象となる事業年度の決算が確定した後、決算変更届を提出し、経営状況分析、経審申請へと手続を進めることになります。

過去分は各事業年度の決算内容と工事実績から作成する

未提出分を遡って提出するときは、提出対象となる各事業年度の決算内容と工事実績を基に書類を作成します。

決算変更届には建設業用の財務諸表を使用するため、税務申告で作成した決算書の数字を基に、建設業許可の届出に用いる財務諸表を作成します。工事経歴書や直前3年の各事業年度における工事施工金額についても、それぞれの事業年度に対応する工事実績を基に作成します。

複数年が未提出となっている場合は、未提出となっている事業年度を特定し、各年度の決算書と工事実績を裏付ける資料を揃えたうえで、古い年度から順に必要書類を作成します。
年度ごとに資料と届出内容を対応させることで、各事業年度のつながりを追いながら過去分を作成できます。

未提出を解消した後は毎事業年度の提出に戻す

過去の未提出分を提出した後は、次の事業年度から決算終了後4か月以内という提出期限に合わせて処理します。

決算が確定した後、その年度の決算書と工事実績を基に決算変更届を作成して提出し、提出書類の控えを次年度以降も参照できるよう保管します。経審を受ける会社では、この毎年の決算変更届が経審申請へ直接つながり、経審を受けない会社でも提出義務は同じです。

過去分の提出を終えた後は、決算確定後にその年度の決算書と工事実績を揃え、4か月以内に決算変更届を提出する流れを毎事業年度の手続として継続します。