「資格を持つ技術者がいるので、今回の経審で技術職員として申請したい」
経営事項審査(経審)の技術力(Z)では、建設工事の種類ごとに技術職員数が評価されます。自社の技術者を今回のZ点へ算入するには、審査基準日時点で対象業種の評価対象となる資格等を有し、原則として審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係にあることが必要です。
算入の可否は、次の順序で確認します。
審査基準日を確定する
↓
対象業種に対応する資格等を確認する
↓
6か月を超える恒常的な雇用関係を確認する
↓
技術職員名簿へ反映する
Z点への算入要件は審査基準日時点で見る
経審では、原則として申請日の直前の事業年度終了日を審査基準日として、その時点の状態を基準に評価します。たとえば9月30日決算の会社がその後に経審を申請する場合、今回の技術職員について見る基準日は9月30日です。
申請日までに資格を取得したり、新たに採用されたりしていても、9月30日時点で要件を満たしていなければ、今回の経審には反映できません。そのため、技術職員の算入可否を見るときは、まず審査基準日を確定し、資格取得日や雇用開始日をその日との関係で見ていきます。
資格と雇用関係の両方から算入できる技術者を特定する
審査基準日が決まったら、技術者ごとに対象業種に対応する資格等と、6か月を超える恒常的な雇用関係を確認します。いずれも今回のZ点へ算入するための要件となるため、以下で分けて確認します。
資格等が審査基準日時点で対象業種に対応しているか
技術職員の評価は建設工事の種類ごとに行われるため、審査基準日時点で資格等を有していることと、その資格等が今回評価を受ける業種に対応していることが必要です。
たとえば9月30日が審査基準日で、施工管理技士等の資格を10月に取得した場合、その資格は9月30日を基準とする今回の経審には反映できません。審査基準日時点で対象業種に対応する資格等を有していれば、その資格等に応じて技術職員としての評価区分が決まります。
資格等については、申請時に所定の確認資料によって証明します。神奈川県では、前回の申請で確認済みの資格など一定の場合に確認資料を省略できる取扱いがあるため、具体的な提出資料は申請時点の県の手引きで確認します。
審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係があるか
対象業種に対応する資格等を有していても、技術職員として評価を受けるには、原則として審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係にあることが必要です。
必要なのは「6か月以上」ではなく、「6か月を超える」雇用関係です。審査基準日が9月30日の場合、同年3月31日以前から雇用されていれば6か月を超えますが、4月1日からの雇用では6か月ちょうどとなります。新たに有資格者を採用した場合は、審査基準日と雇用開始日の関係から、今回のZ点へ算入できるかを判断します。
恒常的な雇用関係では雇用の継続性も確認対象となるため、有期雇用や定年後の再雇用などでは、その雇用形態が経審上の要件を満たすかを確認します。申請時には、審査基準日時点で6か月を超える雇用関係を所定の資料で示します。
神奈川県では、前年から継続して技術職員名簿に掲載している者などについて確認資料を省略できる場合があるため、その取扱いは県の手引きに従います。
なお、ここで扱うのは、経審で技術職員として算入するための要件です。営業所技術者等は建設業許可上の人的要件であり、同じ技術者が双方に該当する場合でも、それぞれの制度上の要件を満たす必要があります。
算入する業種と資格区分を技術職員名簿へ記載する
要件を満たす技術者については、評価を受ける建設業の種類と資格等に応じた区分を技術職員名簿へ記載します。
Z点は建設工事の種類ごとに技術職員数を評価するため、技術者が在籍しているだけでなく、どの業種にどの区分で算入するかまで技術職員名簿へ反映する必要があります。
資格と雇用関係から算入できる技術者を絞り、その技術者を評価する建設業の種類と有資格区分コード等の必要事項を記載することで、今回のZ点に算入する内容が具体化します。
まとめ|技術職員の算入は審査基準日から逆算する
今回の経審で技術職員をZ点へ算入できるかは、審査基準日時点で対象業種に対応する資格等を有し、原則としてその日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係にあるかによって判断します。
新たな資格取得や有資格者の採用をZ点へ反映したい場合は、申請日ではなく審査基準日との関係を見る必要があります。特に採用時期については、審査基準日までに6か月を超える雇用期間を確保できるかが、今回の算入可否を分けます。
審査基準日から資格取得日と雇用開始日を遡って確認し、要件を満たす技術者について評価対象となる業種と資格区分を技術職員名簿へ記載することが、Z点へ正しく算入するための基本になります。
※経営事項審査の準備時期と申請の流れについては、以下の記事を参考にしてください。
経営事項審査はいつ受ける?|準備時期と申請の流れを解説【神奈川県】