開業準備を進めていく中で、ほぼ確実にぶつかるのが「事務所をどうするのかという問題」です。
・ 自宅でいいのか
・ 事務所を借りるべきか
・ 共同オフィスや合同事務所という手もある
シンプルな選択に見えますが、実際はそう簡単ではありません。 私自身も、かなり悩みました。
この記事では、自宅開業を諦めて、レンタルオフィスを選ぶに至った経緯と、その中で感じた事をお伝えします。
1.最初は「自宅でいい」と思っていた
正直に言えば、最初は「自宅でやればいいのでは?」と考えていました。
・ 家賃がかからない
・ 通勤時間ゼロ
・ 副業として始めるにはベスト
合理的に考えれば、これ以上ない選択肢です。
実際、副業行政書士としてスタートする方の多くは、自宅開業を選んでいる印象もありました。
2.しかし現実はそう甘くない
ところが、いざ具体的に進めようとすると、いくつかの問題が出てきました。
まず一つ目が、家族の反応です。
長女からは、 「自宅を事務所にするのはやめた方がいいんじゃない?」 と率直な意見がありました。
理由としては、
・ 生活空間と仕事空間が混ざることへの違和感
・ 来客対応への懸念
・ 自宅住所がホームページに掲載されることへの不安
といった、ごく現実的なものでした。
そして決定的だったのが、マンションの管理規約です。
管理規約上では「専ら居住の用に供する」という文言があり、事務所利用は明確にNGと読み取れます。
また、管理組合にも念のため確認してみたところ、現時点ではやはりNGとの見解でした。
「自宅兼事務所はもう無理だな」と判断しました。
3.外で借りるしかない、でもコストは抑えたい
自宅が使えない以上、外部で事務所を構えるしかありません。
ただし、副業スタートという状況を考えると、
・ いきなり賃貸事務所を借りるのはリスクが高い
・ 固定費はできるだけ抑えたい
というのが本音でした。
行政書士として収入があるわけでもなく、毎月家賃だけで十数万円は払えない、というのが正直なところでした。
そこで検討したのが、レンタルオフィスです。
4.レンタルオフィスという選択
市内にあるいくつかの物件をピックアップし、「立地」「交通の便」「家賃」「自宅からの距離」等、条件のよさそうな物件をひとつに絞りました。
賃貸事務所と違い、レンタルオフィス自体はさほど数があるわけではなく、無理に絞り込まなくても、結果的に候補は限られてきたというのが実際のところでした。
新年度を控えた2月というタイミングでもあったので、間を置かずに内覧を申し込み、実際に見学もしました。
それから、家族を巻き込んで納得してもらうためにも、内覧の際には奥さんにも一緒に来てもらうことにしました。
最初の印象は、想像していた通りに 「やっぱり狭いな…」 というものでした。
一般的な賃貸事務所と比べると、スペースはかなりコンパクトです。
しかしその一方で、「これはこれでアリだな」と思えるポイントも多くありました。
5.実際に感じたメリット
レンタルオフィスにして良かった点は、例えば以下の通りです。
・ 25年秋にオープンしたばかりで綺麗
・ 契約スペースとは別に、会議室が一定時間無料で使える
・ 机・椅子・書棚が最初から揃っている
・ Wi-Fi環境が整っている
・ 印刷やドリンクサービス(無料)がある
・ 自宅から徒歩圏内で通える
つまり、「すぐに仕事ができる環境が整っている」、そして「設備利用を含めてコスパがよい」ことは、大きなメリットだと感じました。
6.コストと環境のバランス
もちろん、家賃はかかります。 自宅開業と比べれば、確実にコストは増えますし、正直痛い出費です。
それでも、
・ 対外的な信用を担保しやすい
・ 自宅住所を公開せずに済み、セキュリティ面でも安心感がある
・ オンとオフの切り替えができる
・ 自宅からの距離も近く、徒歩移動が可能(運動不足解消にもなる)
といった点を考えると、単なるコストではなく投資と考えるべきでしょう。
7.現時点での結論
最終的に私は、レンタルオフィスを契約し、外部に事務所を構えることにしました。
正解かどうかは、正直まだ分かりません。
ただ、 「自分の状況に合った選択をした」 という納得感はあります。
事務所の選び方に正解はありません。それぞれ事情も環境も違います。
大切なのは、自分にとって無理のない選択をすることだと思います。
8.事務所を決めた後にやったこと
事務所備品、固定電話やFAXについても、ここで少し触れてみようと思います。
レンタルする物件によって当然違ってきますので、あくまで参考程度にしてください。
また、事務所要件を満たしているか迷う場合には、賃貸借契約の前に行政書士会へ必ず確認するようにしましょう。
① 事務所備品
・用意しなくてよかったもの(レンタルオフィスにあり)
机
椅子
書棚
来客用の会議室
Wi-Fi環境
プリンター(ただしインクジェット)
シュレッダー
・自分で用意したもの
パソコン
鍵付き書類保管庫
手提げ金庫
② 固定電話
これは必要かどうか、かなり迷いました。
というのも、「スマホでも十分では?」と思っていたからです。実際、日行連の名簿を見ても、携帯番号を登録している方は一定数いらっしゃいます。
中古スマホ + 格安プラン でも十分対応できるのではないか、とも考えていました。
ただ、本当にそれでいいのか決めきれず、情報収集を進めました。
その中で 「信用」 という観点では、固定番号を持ち、事務所の実態を整えるべきという意見が多いことを知りました。
「実際に問い合わせが来たときにどう見られるか」 を考えたときに、固定番号の方が安心感があると判断しました。
そこで、市外局番で始まる固定番号を取得でき、スマホから利用できるサービスを契約しました。
私が利用しているのは 「03plus」 というサービスです。初月は無料、月額も1,300円程度とリーズナブルで、スモールスタートには適していると感じています。
※特定のサービスを推奨する意図はなく、あくまで私の実体験として紹介しています。
③ FAX
正直、もう不要ではないかと思いました。ただ、役所や一部業界ではまだ使われているのも事実です。
そのため、「03plus」のクラウドFAXを開業直前に申し込み、運用状況を見ながら継続するか判断する予定です。
9.次回予告
次回は、登録や手続きについて踏み込んでお話しします。
開業準備を進める中で感じている不安や迷いを、そのままの形でお伝えする予定です。
※「どんな人が書いているのか気になる」という方は、
これまでの経歴や考え方も含めてプロフィールにまとめています。