建設業の営業所を移転する場合は、移転先に応じた許可手続と、移転後の営業所が許可要件を満たしているかを確認します。

営業所を置く都道府県によって許可行政庁が変わるほか、移転後の営業所にも建設業法上の営業所としての実態が必要であり、営業所技術者等についても移転後の配置を確認します。

そのため、移転後に建設業法上の営業所を置く都道府県、営業所の使用実態、営業所技術者等の配置を順に確認し、その内容に応じて変更届または許可換え新規の手続を行います。

営業所の移転先によって変更届か許可換え新規かが決まる

建設業許可では、営業所を置く区域によって許可行政庁が決まり、一つの都道府県内だけに営業所を設ける場合は都道府県知事許可、二つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣許可となります。

神奈川県知事許可を受けている会社が営業所を移転する場合は、移転後の営業所の配置によって、次の3つに分かれます。

  • 神奈川県内で移転する場合
    神奈川県知事許可のまま、営業所所在地の変更届を提出します。
  • 神奈川県内の営業所を廃止し、他の一都道府県だけに営業所を置く場合
    移転先の都道府県知事許可への許可換え新規を申請します。
  • 神奈川県内に営業所を残し、他都道府県にも営業所を置く場合
    二つ以上の都道府県に営業所を置くことになるため、国土交通大臣許可への許可換え新規を申請します。

この3つの分岐は、建設業法上の「営業所」をどの都道府県に置くかによって決まります。建設業法上の営業所には、見積り、入札、請負契約の締結など、建設工事の請負に関する営業を実質的に行う事務所が該当します。

移転後の営業所の配置を確定すれば、神奈川県知事許可のまま所在地変更を届け出るのか、他の都道府県知事許可または国土交通大臣許可への許可換え新規を申請するのかが決まります。

移転後の営業所は写真等で使用実態を示す

移転後の営業所については、建設業の営業活動を継続して行う事務所として使用していることを資料で示します。

神奈川県では、営業所の確認資料として、商号が読み取れる看板等を含む建物外観、事務室内、建設業許可標識の写真を求めています。 事務室内についても、机、電話、パソコンなどの事務什器や接客スペースが分かるように撮影します。

営業所の所有状況についても、自己所有か賃貸借等かを記載します。法人代表者が所有する自宅を法人が借りて営業所として使用している場合などは、神奈川県の手引きでは「賃貸借等」として扱われています。

自宅兼事務所や賃貸ビルの一室を営業所とする場合も、実際に建設業の営業所として使用する範囲や設備が写真等から分かるようにします。神奈川県は営業所写真貼り付け用紙などの確認資料を公開しているため、移転後の状況に合わせて現在の様式と必要資料をそろえます。

営業所技術者等が移転後も配置できる体制を確保する

建設業の許可を受けて営業する営業所には、許可を受けている建設業について要件を満たす営業所技術者等を置く必要があります。

営業所の所在地だけを変更し、営業所技術者等もその営業所と一緒に移る場合は、移転後もその者を新しい営業所に配置できる体制を確保します。移転を機に営業所技術者等を交替させる場合には、営業所所在地の変更と併せて、営業所技術者等に関する変更手続も必要になります。

移転後の営業所に要件を満たす営業所技術者等を配置できなければ、その営業所で許可業種を営むための人的要件を満たせません。 そのため、営業所の所在地と営業所技術者等の配置は、移転後の状態を一体として確認します。

営業所移転では、移転によって変わる事項を順に確定する

営業所の移転が決まったら、まず移転後の営業所の配置から、変更届と許可換え新規のどちらになるかを確定します。そのうえで、移転後の営業所の使用実態、営業所技術者等の配置、その他の届出事項を調べます。

具体的には、次の順序です。

  1. 移転後に建設業法上の営業所を置く都道府県を確定する
  2. 変更届または許可換え新規のいずれに該当するかを確定する
  3. 移転後の営業所について使用実態を示す資料をそろえる
  4. 営業所技術者等が移転後も配置されるのか、交替するのかを確定する
  5. 営業所名称など、移転に伴って変更されるその他の届出事項を特定する

最初に移転後の営業所の配置を確定し、変更届か許可換え新規かを判断したうえで、移転後の営業所の使用実態と営業所技術者等の配置に応じて必要な資料や変更事項をそろえます。