「役員は変わっているが、許可はそのまま使えている」
「忙しくて変更届を出していないが、特に指摘は来ていない」

建設業許可を受けた法人で役員等に変更があった場合は、変更後30日以内に変更届を提出します。役員の就任・退任について商業登記を済ませていても、建設業許可の役員変更届は別途必要です。

未提出のまま更新時期を迎えた場合は、前回の届出後に生じた役員変更を特定し、必要な変更届を提出したうえで更新申請を行います。ただし、退任した役員が常勤役員等(経営業務の管理責任者等)を兼ねていた場合は、役員変更に加えて、変更当時も許可要件を継続して満たしていたかを確認します。

役員変更届の未提出が見つかったら、就任・退任日と届出状況を確認する

役員変更届を提出していない場合は、前回の届出後に誰がいつ就任・退任したのかを調べ、提出済みの変更届と照合して未提出となっている変更を特定します。

たとえば、前回の許可後に役員Aが退任して役員Bが就任し、その後Bが退任して役員Cが就任していたとします。この場合は、Aの退任・Bの就任、Bの退任・Cの就任について、それぞれ変更年月日と届出の有無を確認します。どちらも未提出であれば、現在のCへの変更だけではなく、未提出となっている各変更について必要な届出を行います。

そのため、履歴事項全部証明書などから各役員の就任日・退任日を確認し、過去の建設業許可申請書や変更届の控えと照合します。これにより、前回の届出後に生じた役員変更のうち、どの変更が未提出となっているのかを明らかにします。

未提出となっている役員変更が明らかになったら、それぞれの変更当時の事実に基づいて必要書類をそろえます。新たに役員等となった者については、変更内容に応じて誓約書や許可申請者の調書などの書類も必要になるため、役員構成や就任・退任の年月日に対応する書類を準備し、変更届を提出します。

前回の届出後に生じた役員変更と届出状況を確認し、未提出となっている変更届を処理したうえで、その内容を反映して更新申請を行います。

退任した役員が常勤役員等なら、交替の間も要件を満たしていたか確認する

法人の役員変更と、常勤役員等の交替では、建設業許可上の届出内容が異なります。退任した役員が常勤役員等を兼ねていた場合は、役員変更に加えて、旧任者の退任から新任者の就任まで許可要件を継続して満たしていたかを確認します。

常勤役員等が交替する場合、旧任者の退任日の翌日に新任者が就任していれば、交替として変更届を提出できます。一方、中1日以上不在となる期間があれば、その間は許可要件を欠くことになります。

たとえば、常勤役員等であった役員が3月31日に退任し、後任者が4月1日に就任していれば、交替として変更届を提出できます。後任者の就任が4月2日であれば、4月1日は常勤役員等が不在となるため、要件を欠く期間が生じます。

退任した役員が常勤役員等を兼ねていた場合は、旧任者の退任日と新任者の就任日を資料で照合し、その間も許可要件を満たしていたかを確認します。 要件を継続して満たしていれば必要な変更届を提出します。一方、不在期間があり、その間に許可要件を満たしていなかった可能性がある場合は、変更届の未提出とは別に、当時の許可要件と現在の許可の取扱いを確認したうえで必要な対応を判断します。

更新期限が近い場合は、役員変更届と更新申請の日程を合わせる

役員変更届の未提出が更新直前に判明した場合は、過去の変更を調べる期間と必要書類をそろえる期間を見込み、更新申請までの日程を組みます。

神奈川県では、更新申請を許可の有効期間満了日の3か月前から30日前までに行うよう案内しています。更新申請をしないまま有効期間が満了すると、その許可を更新することはできず、引き続き許可が必要であれば新規に取得し直すことになります。

一方、更新申請を行った後に有効期間満了日を迎えた場合は、許可または不許可の処分がされるまで従前の許可が引き続き有効です。そのため、更新時期が近い場合は、許可の有効期間から逆算し、役員変更届に必要な資料の収集、変更届の提出、更新申請までの日程を定めます。

役員変更届が未提出の場合は、4点を順に確認する

役員変更届の未提出が判明した場合は、次の4点を順に確認します。

  1. 前回の届出後に、誰がいつ役員へ就任・退任したか
  2. そのうち、どの役員変更が未提出となっているか
  3. 退任・就任した役員が常勤役員等を兼ねていたか
  4. 役員変更届と更新申請の日程

1と2は、履歴事項全部証明書などの登記資料と提出済みの変更届を照合して確認します。
3に該当する場合は、旧任者の退任日と新任者の就任日から不在期間の有無を確認し、許可要件を継続して満たしていたかを判断します。
4では許可の有効期間を基準に、必要書類の収集から役員変更届、更新申請までの日程を組みます。

役員変更届の未提出が分かったら、前回の届出後に生じた役員変更と届出状況を確認し、常勤役員等を兼ねていた者については許可要件の継続も確認したうえで、必要な変更届と更新申請を行います。