「更新の準備中に、以前の役員変更を届け出ていなかったことが分かった」
「決算変更届を確認したら、提出していない年度があった」
「営業所技術者等を交替しているが、当時の変更届が見当たらない」

建設業許可の更新前に届出漏れが見つかった場合は、対象となる変更とその年月日を資料から明らかにし、必要な変更届や決算変更届を提出します。常勤役員等や営業所技術者等を交替している場合は、前任者の退任から後任者の就任まで、許可に必要な者が置かれていたかも確認します。

許可取得後に申請書や添付書類の記載事項を変更した場合、変更事由ごとに定められた期限内に変更届等を提出する義務があります。

更新前に届出漏れが判明した場合は、未提出の届出を済ませたうえで、現在の役員、営業所、常勤役員等、営業所技術者等に基づいて更新申請書と必要資料をそろえます。

届出漏れが見つかったら、何をいつ変更したかを特定する

役員、商号・名称、営業所、常勤役員等、営業所技術者等など、変更事項によって提出する書類と期限が異なります。役員等、商号・名称、営業所などの変更は原則30日以内、常勤役員等や営業所技術者等の変更は原則2週間以内に届け出ます。決算変更届は、毎事業年度終了後4か月以内の提出が必要です。

更新準備中に届出漏れが分かったときは、何を変更したのか、その変更がいつ生じたのかを資料から特定し、建設業許可関係の届出控えと照合します。

役員の就任・退任や本店所在地の変更であれば、登記事項証明書から変更年月日を調べ、建設業許可関係の届出控えと照合します。営業所に関する変更は、営業所の移転、新設、廃止、名称変更など、実際に生じた変更内容とその年月日を資料から特定します。

届出控えが見つからず提出状況が分からない場合は、許可行政庁側の記録も調べます。神奈川県知事許可を受けている事業者については、現在有効な許可に関する許可申請書や変更届出書等を神奈川県で閲覧できます。

決算変更届の漏れは、未提出となっている事業年度ごとに処理する

決算変更届は、毎事業年度終了後4か月以内に提出する全国共通の手続です。更新準備中に未提出が判明した場合は、直前決算期までの提出状況を調べ、未提出となっている事業年度を特定します。

たとえば5年間のうち2年度分が未提出であれば、その2年度について決算変更届を作成します。各年度の財務諸表や工事経歴書などは、当時の決算書、税務申告資料、工事関係資料を基に、その事業年度の決算内容や工事実績に沿って作成します。

神奈川県知事許可について実際に提出する際は、神奈川県が公開している現行の様式や手引きに沿って書類を作成します。未提出となっている各事業年度の決算変更届を作成し、直前決算期までの提出を済ませます。

役員・商号・営業所などの漏れは、発生した変更ごとに届け出る

役員、商号・名称、本店所在地、営業所などについて届出漏れが見つかった場合は、発生した変更とその年月日を資料から特定し、建設業許可関係の届出控えと照合します。

法人の役員がAからBへ交替している場合は、登記事項証明書から退任日と就任日を確認し、建設業許可関係の届出控えと照合します。本店を移転している場合も、登記上の移転日と実際の変更内容を基に、必要な変更届が提出されているかを調べます。

役員変更や本店移転など、登記を済ませていても、建設業法上の変更届が必要な事項は許可行政庁へ届け出ます。

前回の許可後に複数回の変更がある場合は、各変更を順に確認します。たとえば役員Aが退任した後にBが就任し、さらにBが退任してCが就任している場合は、役員Aの退任・Bの就任、Bの退任・Cの就任という各変更について必要な届出を行います。

健康保険等の加入状況について届出事項の変更がある場合も、対象となる変更と提出状況を調べ、必要な変更届を提出します。

常勤役員等・営業所技術者等の漏れは、要件を満たしていたか確認する

常勤役員等や営業所技術者等について届出漏れが見つかった場合は、前任者の退任日と後任者の就任日を資料から特定します。

常勤役員等や営業所技術者等は、建設業許可を受けるために必要な人的要件に関わります。営業所技術者等については、営業所ごとに許可を受けている建設業に対応する一定の資格または経験を有する者を専任で置くことが全国共通の許可要件です。

そのため、変更届が提出されていない交替については、前任者の退任日と後任者の就任日を資料から特定し、その間も許可に必要な者が置かれていたかを確認します。

交替時にも必要な者が置かれていたことを確認できた場合は、その事実に基づいて未提出の変更届を提出します。前任者の退任から後任者の就任まで必要な者が置かれていない期間が判明した場合は、その期間の許可要件に関わるため、当時の事実を示す資料をそろえて許可行政庁へ相談します。

現在の常勤役員等や営業所技術者等については、更新申請に必要な資料も準備します。神奈川県知事許可では、令和8年度版の手引きで常勤役員等と営業所技術者等の常勤確認資料の取扱いが見直されているため、更新申請時には現行の手引きに従って必要な資料をそろえます。

必要な届出を済ませたら、現在の内容で更新申請書を作成する

未提出となっていた変更届や決算変更届を提出した後は、現在の会社の内容と許可関係書類を照合します。

役員や営業所を変更していれば現在の役員・営業所を、常勤役員等や営業所技術者等を交替していれば現在選任している者を更新申請書へ記載し、更新時点で必要な資料をそろえます。

過去の届出漏れを解消したうえで、現在の会社の状態と許可関係書類を一致させて更新申請を行います。

まとめ|届出漏れの種類によって、更新前に確認する範囲が変わる

更新前に届出漏れが見つかった場合は、何をいつ変更したのかを特定し、その変更に必要だった届出を確認することが出発点です。

決算変更届や役員・営業所などの変更であれば、未提出となっている年度や変更を特定して必要な届出を行います。一方、常勤役員等や営業所技術者等の交替は許可要件そのものに関わるため、届出の提出に加えて、交替時にも必要な者が置かれていたかまで確認します。

届出漏れの内容を特定し、その変更が許可要件に関わるものかを見極めることで、更新前にどこまで確認し、何を処理する必要があるのかが明確になります。