補助金を利用するには、まず自社や予定している事業が申請の対象になるかを確認する必要があります。
利用できそうな補助金を見つけたら、その制度について、自社や予定している事業が申請対象になるかを調べます。
補助金には、公募ごとに対象となる事業者、事業・取り組み、経費、実施期間などの条件が定められています。申請対象になるかは、申請する公募回の公募要領等に定められた条件に、自社の現状や予定している事業を当てはめて判断します。 補助金によって具体的な内容や確認項目が異なるため、候補となる制度を見つけた後は、その公募に適用される条件を一つずつ見ていきます。
この記事では、候補として見つけた補助金について、自社と予定する事業が申請対象になるかを判断するために、公募要領のどこを見て、どのように自社の状況を当てはめればよいのかを解説します。
申請する公募回の公募要領を基準にする
申請対象になるかは、申請しようとしている公募回の公募要領等を基準に判断します。
同じ名称の補助金でも、公募回や年度によって、対象事業者、対象事業、対象経費、実施期間などの条件が変わることがあります。以前の公募や別年度の情報は制度の概要を知る参考になりますが、申請する公募については、その公募回に適用される条件を使用します。
公募要領には、申請できる事業者の範囲、補助対象となる事業、対象経費、実施期間、申請方法などが記載されています。候補となる補助金を見つけた後は、これらの項目ごとに自社の状況や予定している事業を当てはめていきます。
まだ申請する補助金が決まっていない場合は、予定する事業内容や投資、事業者の属性、所在地などから候補を探すことになります。自社の計画に合う制度の探し方については、「会社・個人事業主が使える補助金はどう探す?|自社に合う制度を見つけるための視点」で解説しています。
公募要領の要件と自社の事実を対応させる
公募要領には、申請要件のほか、申請方法や提出書類など多くの事項が記載されています。申請対象になるかを判断する段階では、まず対象事業者、対象事業・取り組み、補助対象経費、事業期間など、自社の申請可否に関わる項目を見ます。
そこに定められた条件と、それに対応する自社・予定事業の事実を並べると、どこまで満たしているかを確認しやすくなります。
| 公募要領に定められた要件 | 要件に当てはめる自社・予定事業の事実 |
|---|---|
| 対象事業者 | 法人・個人事業主などの事業形態、業種、規模その他の対象条件 |
| 対象事業・取り組み | 実際に予定している設備投資、開発、販路開拓などの内容 |
| 補助対象経費 | 購入・契約・発注を予定している物やサービス、その支出内容 |
| 事業期間 | 契約、発注、着手、支払、事業完了などを予定している時期 |
| その他の申請要件 | 制度ごとに定められた登録、申請方法その他の条件 |
このように項目ごとに分けると、対象事業者には該当していても、予定する支出が補助対象経費に含まれないといった違いが明確になります。事業内容が対象でも、着手時期が対象期間に合わないこともあります。申請対象になるには、その公募で必要とされる条件をそれぞれ満たす必要があります。
対象事業者に該当するか
対象事業者については、その補助金に申請できる事業者の範囲を確認します。法人や個人事業主といった事業形態に加え、補助金によっては業種、企業規模、所在地、事業実績などが条件として定められています。
例えば、中小企業を対象とする制度であれば、自社がその制度で定められた中小企業の範囲に該当するかを確認する必要があります。複数の条件が定められている場合には、法人・個人事業主の別、業種、資本金や従業員数、所在地、事業実績など、自社に該当する事実をそれぞれ当てはめます。
予定している事業・取り組みが対象になるか
自社が対象事業者に該当したら、予定している事業や取り組みが補助対象に含まれるかを確認します。
同じ事業者が行う設備投資や販路開拓でも、そのすべてが同じ補助金の対象になるとは限りません。補助金にはそれぞれ政策上の目的があり、その目的に応じて支援する事業や取り組みの範囲が定められています。
その補助事業の目的や対象となる取り組みに、自社が予定する事業の目的、内容、実施方法を当てはめます。 これにより、予定している事業がその補助金で支援する取り組みの範囲に含まれるかを判断します。
予定している支出が補助対象経費に含まれるか
予定している事業が補助対象に含まれる場合には、その事業で発生する支出について補助対象経費の範囲を確認します。
補助金では、事業に必要となる費用のうち、制度が定める一定の経費が補助対象となります。機械装置費、外注費、広告費などの経費区分が設けられ、各区分について対象となる支出や対象外となる支出が細かく定められていることもあります。
例えば、設備を導入する事業そのものが対象となっていても、購入する設備の種類や用途、契約内容などによっては補助対象経費に該当しないことがあります。購入・契約・発注を予定しているものごとに、どの経費区分に該当するのか、その区分で対象外とされている条件に当たらないかを確認します。
予定している時期が対象期間に収まるか
事業内容と経費が対象となる場合には、契約、発注、着手、支払、事業完了などを予定している時期も確認します。
補助金によっては、交付決定後に契約や発注を行うことが補助対象となる条件に含まれており、定められた時点より前に発注した経費が補助対象から外れることがあります。また、事業を完了しなければならない期限や支払を終える時期などが定められている制度もあります。
契約・発注、事業への着手、支払、事業完了の予定時期を、その公募で定められた期間や条件と順に照合します。 すでに契約や発注を行っている場合には、その時点が補助対象となる条件を満たしているかについても確認が必要です。
申請期限だけでなく、契約・発注や事業への着手が認められる時期も、補助金の利用可否を左右します。申請時期と事業スケジュールの関係については、「補助金はいつ申請する?|申請期限と事業を進める時期を確認」で詳しく解説しています。
申請に必要な要件を全体として満たしているかを判断する
対象事業者、対象事業、補助対象経費、事業期間などを個別に照合した後は、その公募で申請に必要とされる要件を満たしているかを全体として判断します。
例えば、自社が対象事業者で、予定する設備投資が補助対象事業に含まれていても、購入する設備が補助対象経費の条件を満たしていなければ、その設備は補助対象になりません。また、事業者・事業・経費が対象でも、契約や発注の時期が定められた条件から外れていれば、その経費が対象外となることがあります。
申請対象になるかは、自社に関係する各項目に事実を当てはめ、その公募で求められる条件を満たしているかを通して判断します。
記載内容だけでは条件の意味や自社への適用が明確にならない場合には、その補助金の事務局等が公開しているFAQや問い合わせ窓口で確認します。
申請要件への該当と採択は別の段階で判断される
申請に必要な要件を満たせば、その公募に申請できるかを判断できます。補助金の交付を受けるには、その後に申請し、制度ごとの審査を受けます。
補助金によって審査内容は異なりますが、事業目的との適合性、事業計画、実施体制、費用の妥当性などが審査対象となり、申請者の中から採択される事業が決定される制度があります。
申請要件を満たしていることと、審査を経て採択されることは別の段階です。
申請対象になることが分かったら、公募要領等に示された審査基準や提出書類を確認し、予定する事業の内容を申請書や事業計画書へ具体的に反映していきます。
申請対象になることを確認したら申請準備へ進む
公募要領の内容に自社・予定事業の事実を当てはめ、申請に必要な条件を満たしていることを確認できたら、申請書の作成や必要書類の準備へ進みます。
この段階では、審査基準、提出書類、申請期限、申請方法などを確認し、その公募で求められる申請手続を具体的に進めます。
申請準備では、公募要領に定められた要件に応じて必要書類を準備し、申請内容と提出資料を対応させる必要があります。必要書類の種類と、それぞれの資料で何を確認するのかについては、「補助金申請にはどんな書類が必要?|提出資料ごとの役割と確認事項」で解説しています。
自社の事業や経費を各条件に当てはめにくい場合や、事業計画や必要書類まで含めて申請準備を進める場合には、補助金申請を扱う行政書士、中小企業診断士などの専門家へ相談する方法もあります。
専門家へ相談する際には、申請する公募回の公募要領とともに、予定している事業の内容、実施時期、購入・発注するもの、見積書など、自社の計画を具体的に確認できる資料を用意しておくと、各条件と自社の状況を対応させて検討しやすくなります。