古物商許可を取得してしばらくすると、「更新手続は必要なのか」「許可証に有効期限が記載されていないのはなぜか」と疑問に感じることがあります。警察から更新の案内が届かないため、このまま営業を続けてよいのか迷うこともあるでしょう。

古物商許可には一定年数ごとの更新制度がないため、営業内容や届出事項に変更がなく、古物営業を継続している限り、そのまま営業を続けられます。一方、営業所や管理者、許可を受けた人・法人などに変更が生じた場合は、その内容に応じた手続が必要です。

変更内容によって、変更前に届け出るもの、変更後に届け出るもの、許可証の書換えが必要なもの、新たな許可を受けるものに分かれます。

この記事では、古物商許可を取得した後、現在の許可で営業を続けるためにどの変更をいつ届け出るのか、長期間営業していない場合や廃業する場合も含めて解説します。

古物商許可は更新せずにそのまま営業を続けられる

古物商許可には、運転免許のような数年ごとの更新手続はありません。許可取得後も古物営業を継続し、営業内容や届出事項に変更がなければ、その許可のまま営業を続けられます。

営業内容や届出事項が変わったときは、その変更内容に応じて事前または事後に公安委員会へ届け出ます。
古物営業法では、営業所に関する一部の変更を事前届出とし、それ以外の届出事項の変更を原則として事後届出としています。

営業所の移転・新設などは変更前に届け出る

変更予定日の3日前までに届出が必要になるのは、次のような営業所に関する変更です。

・店舗を別の場所へ移転する
・新しい営業所を設ける
・営業所を廃止する
・主たる営業所を変更する
・営業所の名称を変更する

営業所の移転や新設などは変更後の届出では間に合わないため、店舗の契約や移転日、新店舗の開設日を決める段階で、変更予定日の3日前までに届出できるよう日程を組みます。

個人事業主が自宅を営業所としている場合も同様です。転居によって許可を受けた本人の住所と営業所所在地の両方が変わる場合、営業所所在地の変更を事前に届け出たうえで、本人住所の変更についても必要な手続を行います。

氏名・住所・法人情報・管理者などは変更後に届け出る

営業所に関する事前届出を除いて、氏名・住所、法人の商号・役員、管理者などの届出事項に変更があった場合には、原則として変更後14日以内に届け出ます。登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内です。

個人については、氏名や住所、行商をする・しないの変更などが対象になります。

法人では、商号、本店所在地、代表者、役員などの変更が該当します。会社で登記を変更しても、古物営業法上の変更届出は別途必要です。代表者の交代や本店移転を登記した後は、古物商許可についても期限内に届出を行います。

管理者が退職・異動し、別の人を管理者に選任した場合も事後届出の対象です。人事異動で管理者を交替するときは、交替日を基準に期限を確認し、古物営業法上の変更届出まで行います。

変更した事項が許可証の記載事項に当たる場合は、変更届出とあわせて許可証の書換えを受けます。

インターネット取引に使うURL変更・廃止も届出対象になる

古物営業に利用するホームページ等のURLを届け出ている場合、そのURLを変更・廃止したときや、新たに届出対象となるURLを使用するときは、原則として変更日から14日以内に変更届出を行います。変更届出書には、URLを記載する専用欄が設けられています。

利用するウェブサービスや取引方法によって、申請・届出時にURLを記載する対象になるかが変わるため、新しい販売サイトや買取サイトを開設するときは、使用するURLが届出対象に当たるかを申請先の警察署で確かめてから手続を進めます。

※インターネットを利用して取引する場合については、以下の記事で解説しています。
 「古物商許可のURL届出とは|メルカリ・BASE・Shopifyでも必要?」

個人から法人へ変更するときは、法人で新たに許可を受ける

個人で取得した古物商許可を、そのまま法人へ引き継ぐことはできません。法人として古物営業を始める場合は、その法人が新たに古物商許可を受けます。

個人の許可は許可を受けた本人に帰属し、法人の許可は許可を受けた法人に帰属します。個人事業を法人化する場合や、許可を受けている法人から別法人へ営業主体を移す場合は、変更届出や許可証の書換えによる名義変更では処理できません。

法人化する場合は、法人として古物営業を開始する前に法人名義の許可を受ける必要があります。

6か月以上営業していない場合、許可取消し対象になることがある

古物商許可には有効期限がありませんが、許可後の営業実態については古物営業法に取消しの規定があります。

公安委員会は、許可を受けてから6か月以内に営業を開始していない場合、または引き続き6か月以上営業を休止し、現在も営業していない場合、その許可を取り消すことができます。

したがって、単に取引件数が少ないことが問題になるのではなく、営業を開始していない状態や、営業を6か月以上休止したままの状態が続いている場合に取消しの問題が生じます。

長期間営業していない状態から再開する場合は、営業所、管理者、法人の役員・所在地などについて、現在の営業体制と届出内容にずれがないかを確認し、必要な変更手続を済ませてから再開します。

古物営業を廃止したときは許可証を返納する

古物営業を廃止した場合は、許可証を返納します。

許可証の返納は、廃業など返納事由が生じた日から10日以内に、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して行います。返納理由書と許可証を提出し、URLを届け出ていた場合はURLに関する書類も必要になります。

古物営業を終了することが決まった場合は、返納事由が生じた日から10日以内に許可証の返納手続を行います。

許可取得後は変更内容に応じて手続の時期を分ける

確認事項必要となる手続手続の時期・期限
定期的な更新更新手続なし一定年数ごとの更新期限なし
営業主体が個人から法人、または別法人へ変わる新たな営業主体による古物商許可申請新たな営業主体が営業を開始する前
営業所の移転・新設・廃止・主たる営業所の変更・営業所名称の変更変更届出原則として変更予定日の3日前まで
氏名・住所・商号・本店所在地・代表者・役員などの変更変更届出・必要に応じて許可証書換え原則として変更日から14日以内。登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内
管理者の変更変更届出原則として変更日から14日以内
届出対象となるURLの変更・廃止など変更届出原則として変更日から14日以内
古物営業を廃止した許可証の返納返納事由が生じた日から10日以内

許可取得後は定期的な更新をする必要はありません。営業所の移転・新設などは変更前、氏名・役員・管理者・URLなどの変更は原則として変更後に届け出、個人から法人への変更など営業主体そのものが変わる場合は、新しい主体で許可を受けます。古物営業を廃止した場合は、許可証の返納まで行います。

古物商許可が必要かどうかは、販売方法ではなく商品の取得方法や営業実態によって判断されます。
「自分の場合は許可が必要なのか分からない」という方は、古物商許可申請サポートページをご覧ください。
古物商許可申請サポートページ