経営事項審査(経審)を受ける会社にとって、決算変更届は、その後の経審につながる重要な届出です。
工事経歴書などに記載する工事実績は完成工事高の審査に、建設業法上の財務諸表は経営状況分析に関係します。

この記事は、決算変更届の作成時に確認しておきたい工事実績と財務内容について、経審との関係から整理します。

決算変更届の工事実績と財務内容は経審につながる

決算変更届と経審は別の手続ですが、完成工事高と財務内容は同じ事業年度の実績・決算を基礎として扱われます。経審を受ける会社では、決算変更届を作成する段階で、工事実績をどの業種へ区分するのか、確定した決算を建設業法上の財務諸表へどのように反映するのかを確認します。

工事実績は、

実際に施工した工事
→ 工事経歴書への業種別の記載
→ 経審で申請する業種別の完成工事高

という関係になります。

財務内容は、

決算の確定
→ 建設業法上の財務諸表の作成
→ 決算変更届
→ 経営状況分析
→ Y評点

という流れになります。

決算変更届は毎事業年度終了後4か月以内に提出します。経審を受ける会社では、この届出と後続する経営状況分析・経審が同じ決算を基礎としていることを踏まえ、工事実績と財務内容を整えておく必要があります。

工事実績は経審の完成工事高につながる

経審で完成工事高を申請する際は、決算変更届と同じ事業年度の工事実績が基礎となり、工事経歴書と直前3年の各事業年度における工事施工金額も確認資料となります。

経審では完成工事高が業種別に評価されるため、実際に施工した工事を建設業法上のどの建設工事に区分するかがX1評点に関係します。例えば、工事の売上を計上していても、実際の施工内容に応じて「電気工事」「管工事」「内装仕上工事」などの建設工事へ区分しなければなりません。

完成工事高の審査では工事内容や金額について確認を受けるため、工事経歴書の業種区分と、契約書等から確認できる実際の工事内容を対応させておく必要があります。

財務諸表は経営状況分析のY評点に反映される

決算変更届では、事業年度ごとに建設業法上の財務諸表を提出します。経営状況分析では、国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関が財務内容を分析し、Y評点を算出します。

Y評点では、負債抵抗力、収益性・効率性、財務健全性、絶対的力量に関する財務指標によって会社の経営状況が評価されるため、借入金、純資産、利益、減価償却などの決算内容が各指標に反映されます。

Y評点は、確定した決算の数値をもとに算出されます。そのため、Y評点の推移を継続的に把握するのであれば、決算後に結果を確認するだけでなく、決算前から借入金、純資産、利益などの財務指標がどのように推移しているかを確認しておく必要があります。

まとめ|工事実績と財務内容を整えて経審につなげる

経審を受ける会社では、決算変更届を作成する段階で、実際の工事内容に応じて工事実績を正しい業種へ区分し、確定した決算を建設業法上の財務諸表へ正しく反映することが重要です。

工事実績は業種別の完成工事高としてX1の評価につながり、財務諸表の数値は経営状況分析を通じてY評点に反映されます。

決算変更届の段階で工事実績の業種区分と財務諸表の内容を整合させておくことが、その後の経営状況分析と経審を正しい内容で申請するための基礎になります。