「役員が変わっていたのに、建設業許可の変更届を出していなかった」
「本店移転の登記はしたが、建設業許可の届出をしたか分からない」
「営業所技術者が以前に交替しているが、当時の変更届が見つからない」
変更届の出し忘れに気づいたら、最初に行うのは、未提出となっている変更を特定することです。
過去の許可申請書や変更届の控えから届出済みの内容を確認し、その後に生じた変更と照合します。
建設業許可を取得した後、商号・名称、役員、営業所の名称・所在地などに変更が生じた場合は30日以内、常勤役員等や営業所技術者等など許可要件に関係する一定の変更については2週間以内に届出が必要です。
提出期限を過ぎている場合も、未提出のまま次の更新まで待たず、何が未提出になっているのかを確定し、その変更について必要な書類をそろえて届け出ます。
過去の申請・届出内容と現在までの変更を照合する
未提出の変更を調べるときは、まず会社で保管している許可申請書や変更届の控えから、建設業許可について届出済みの内容を確認します。
そのうえで、役員、本店所在地、商号、営業所、常勤役員等、営業所技術者等などに、その後どのような変更があったのかを調べます。
過去の届出状況を会社の控えだけで確定できない場合は、変更事項に応じて、神奈川県の閲覧制度や電子申請の記録などから確認できるものがないかを調べます。
なお、この閲覧制度では、現在有効な神奈川県知事許可業者の許可申請書や変更届出書等を閲覧できますが、常勤役員等や営業所技術者等に関する届出書など、閲覧対象外となる書類もあります。
変更を洗い出した後は、登記に記録される変更と、登記だけでは変更日を確定できない事項に分け、それぞれの資料から変更年月日を特定します。
役員・商号・所在地は登記履歴から変更年月日を特定する
役員、商号、本店所在地など登記に記録される変更については、履歴事項全部証明書などから各変更の年月日を特定します。
たとえば、役員Aが退任してBが就任し、その後Bが退任してCが就任している場合には、AからB、BからCという二つの変更が発生しています。現在の登記内容だけを基準に届出を作成すると、この途中の変更を届出に反映できません。
履歴事項全部証明書に記録された就任日、退任日、所在地移転日などを特定し、過去の届出済み内容と照合します。
登記と建設業許可の変更届は、それぞれ手続が必要です。登記が完了している役員変更や本店移転についても、建設業許可上の届出事項に該当すれば所定の変更届を提出します。
営業所・常勤役員等・営業所技術者等は当時の資料から変更日を特定する
登記だけで変更の経過を確定できない事項については、変更内容に応じた当時の資料から、実際に変更が生じた日を特定します。
営業所の新設・廃止、常勤役員等、営業所技術者等などについては、過去の許可申請書や変更届の控えに加え、当時の事実を示す資料を用いて、営業所の新設・廃止日、旧任者の退任日、新任者の就任日などを明らかにします。
登記や当時の資料から変更年月日を特定したら、それぞれの変更に対応する建設業許可の変更届が提出されているかを照合します。 変更届の控えや電子申請の記録などと対応させ、届出を確認できない変更を洗い出します。
常勤役員等・営業所技術者等の未提出は、変更当時の許可要件まで調べる
常勤役員等や営業所技術者等の交替を届け出ていなかった場合は、変更年月日に加えて、交替時にも建設業許可の要件を満たしていたかを調べます。
たとえば、営業所技術者等が交替している場合には、旧任者の退任日と新任者の就任日を確定し、新任者が担当する許可業種に必要な資格・経験等を備えていたことや、営業所技術者等として必要な常勤性を満たしていたことを、当時の資料で裏付けます。
変更時から必要な要件を満たしていたことを資料で裏付けられれば、その事実に沿って未提出の変更届を作成します。要件を満たす者が存在しなかった期間がある場合は、届出の遅れだけではなく、許可要件を欠いていたこと自体について対応する必要があります。
提出したか分からない変更は、確認できる記録を調べる
変更年月日は特定できても、対応する変更届を提出したかどうかを会社の資料から確定できないことがあります。
まず、会社に残っている受付済みの副本や電子申請の記録を確認します。これらで確定できない場合は、その変更に関する書類が神奈川県の閲覧対象となっているかを確認し、閲覧できる書類については県が保管する申請書・変更届出書等と照合します。
届出済みであることが確認できれば、その変更について改めて届け出る必要はありません。確認できない場合は、変更の内容と手元に残っている資料を整理し、必要に応じて神奈川県へ取扱いを確認します。
未提出を特定したら、変更年月日と必要書類をそろえて届け出る
ここまでの照合で未提出となっている変更を特定した後は、確定した変更年月日と変更内容に基づき、現在使用する様式と必要書類に従って変更届を作成します。
神奈川県は、建設業許可の変更届に使用する様式と令和8年度版の手引きを公開しています。変更事項によって使用する様式、添付書類、確認資料が異なるため、役員変更、営業所変更、常勤役員等の変更、営業所技術者等の変更など、実際に未提出となっている事項に対応する書類をそろえます。
過去の変更年月日や当時の状態を資料から確定できない場合は、推測した日付や現在の状態を使って届出を作成せず、確定している事実と、資料による裏付けが不足している事項を明らかにします。 神奈川県では建設業許可申請についての相談窓口が設けられているため、手元の資料だけで必要事項を確定できない場合は、具体的な変更内容と残っている資料を示して取扱いを確認します。
未提出となっている変更を特定し、変更当時の事実に基づいて必要な変更届を提出することが、出し忘れが判明した場合の基本的な対応です。
※更新・経審の準備中に変更届の未提出が判明した場合の対応については、以下の記事で解説しています。
「建設業許可|更新・経審の準備中に変更届の未提出が判明したら?【神奈川県】」
※変更届の提出期限や必要書類については、以下の記事で解説しています。
「建設業許可の変更届とは?|届出が必要な変更・提出期限を解説【神奈川県】」