商号・名称、役員、事務所、専任宅建士など、宅建業者名簿の登載事項に変更が生じた場合は、原則として変更が生じた日から30日以内に変更届を提出します。
変更内容によっては、変更届とあわせて免許証の書換えや保証制度上の手続、宅建士本人の変更登録なども必要になり、それぞれ期限が異なるため、30日以内の変更届とは分けて管理する必要があります。
この記事では、変更事項ごとの提出期限と、同じ変更に伴って必要となる関連手続を順に解説します。
宅建業免許の変更届は原則30日以内
宅建業者は、商号・名称、代表者、役員、事務所、政令で定める使用人、専任宅建士などの宅建業者名簿の登載事項に変更が生じた場合、その事実が発生した日から30日以内に変更届を提出します。
30日の起算日は、役員の就退任日、事務所の移転日、専任宅建士の就退任日など、実際に変更が生じた日です。
必要書類の準備期間もこの30日に含まれるため、変更日が決まった段階で添付書類の準備を始めます。
主な変更事項と、あわせて必要となる手続・事項は次のとおりです。
| 変更内容 | あわせて必要となる手続・事項 |
|---|---|
| 商号・名称 | 免許証の書換え交付申請 |
| 法人代表者 | 免許証の書換え交付申請 |
| 法人役員 | 就任者に必要な添付書類 |
| 政令で定める使用人 | 就退任・事務所間異動 |
| 主たる事務所の所在地 | 免許証の書換え、移転後の事務所要件 |
| 従たる事務所の新設・移転・廃止 | 専任宅建士、政令使用人、営業保証金・保証協会 |
| 専任宅建士の就退任・異動 | 設置基準、専任性、勤務先変更時の宅建士本人の変更登録 |
商号・代表者・主たる事務所所在地が変わる場合は免許証も書き換える
宅地建物取引業者免許証に記載される商号または名称、代表者、主たる事務所の所在地に変更が生じた場合は、変更届に加えて免許証の書換え交付申請を行います。
法人登記を変更しても、宅建業者名簿や免許証の記載が自動的に更新されるわけではないため、法人登記上の変更が宅建業者名簿の登載事項に当たる場合は30日以内に変更届を提出し、免許証の記載事項が変わるときは書換え交付申請も行います。
事務所の新設・移転では変更届以外の手続が加わる
事務所を新設または移転する場合は、事務所に関する変更届に加えて、その場所で宅建業を営むための事務所要件や人員配置、保証制度上の手続にも対応します。
従たる事務所を新設する場合は、事務所要件を満たしたうえで、専任宅建士や政令で定める使用人を配置し、営業保証金または保証協会について必要な手続を行います。
保証協会の社員である宅建業者が新たに事務所を設置した場合には、新設した日から2週間以内に弁済業務保証金分担金を保証協会へ納付する必要があります。 一方、営業保証金を供託している宅建業者は、新設した事務所に対応する営業保証金を追加で供託しなければなりません。
営業保証金を供託している場合は、追加の営業保証金を供託した後でなければ新設した事務所で宅建業を開始できず、保証協会の社員である場合は、新設した日から2週間以内に追加の弁済業務保証金分担金を納付します。
※営業保証金や保証協会については、以下の関連記事を参考にしてください。
「営業保証金とは|供託が必要になるケースと保証協会との違い」
「保証協会とは|営業保証金との違いと加入手続の流れ」
専任宅建士の就退任では設置基準への対応も必要
専任宅建士が退職したり、他の事務所へ異動したりした場合は、宅建業者名簿の変更事項として30日以内に変更届を提出します。
退職や異動によって事務所の専任宅建士が法定数を下回った場合は、基準を下回った時から2週間以内に必要な措置をとらなければなりません。 この2週間は専任宅建士の配置基準を満たすための期限であり、変更届の30日以内という期限とは別に進行します。
後任者を置く場合は常勤性・専従性を満たす者を配置し、他の事務所から異動させる場合には、異動元でも必要な専任宅建士数を満たす必要があります。
※専任宅建士が退職した場合の対応などについては、以下の記事を参考にしてください。
「専任宅建士が退職したらどうなる?|必要な対応と期限を解説」
専任宅建士の勤務先が変わる場合は本人の変更登録も必要
専任宅建士の勤務先が変わる場合、宅建業者による変更届とは別に、宅建士本人にも資格登録上の手続が生じます。
宅建士本人は、勤務先などの登録事項に変更があった場合、遅滞なく変更登録を申請します。 宅建業者が専任宅建士の就退任を届け出ても、本人の宅建士資格登録簿が自動的に書き換わることはありません。
後任者を置く場合も、新たな宅建業者への入社などにより本人の登録上の勤務先が変わるときは、宅建士本人の変更登録と、宅建業者が行う専任宅建士の変更届を、それぞれ提出先の案内に沿って行います。
廃業・解散などは変更届ではなく廃業等届出書を提出する
宅建業そのものを廃止した場合や、法人の解散、合併による消滅、破産手続開始の決定などがあった場合は、通常の変更届ではなく、廃業等届出書を原則として届出事由が生じた日から30日以内に提出し、個人の宅建業者が死亡した場合は、相続人がその事実を知った日から30日以内に届け出ます。
代表者が交代して法人が宅建業を継続する場合は変更届と免許証の書換え交付申請を行う一方、免許を受けた主体が廃業・消滅する場合は廃業等届出書を提出します。
変更日を起点にすべての期限を管理する
変更が生じたら、その日から30日以内という変更届の期限を基準に、同じ変更から生じる別の手続と期限も並行して管理します。
免許証の記載が変わる場合は書換え交付申請、事務所を新設する場合は人員配置や保証制度上の手続、専任宅建士が就退任する場合は配置基準への対応や、勤務先に変更が生じる宅建士本人の変更登録が加わるため、事務所の新設や専任宅建士の就退任では、30日以内の変更届と、それぞれに伴う別の期限を同じ時系列で管理します。
※宅建業免許の変更届や更新などについては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
「宅建業免許更新はどう進める?|変更届・専任宅建士・事務所の確認ポイント」
「宅建業免許の変更届が遅れたらどうなる?|期限超過と未届期間の確認ポイント」